1月23日


昨夜からすごい砂嵐が続いている。日本の嵐の雨がまさに砂に変わった感じだ。

嵐は嫌な予感をもたらしたが、朝になりその予感があたってしまた。 日本のアジアニュースが一生懸命に荷物の行方を探ってくれていたが、 ドバイからアンマンに移送したとコンピュータ上にデータが残っているそうだ。勿論アンマンには届いていない。エミレーツさん頼むよ。

スーツケースの中味はカメラなど総額60万円近い。 あまりのショックに寝込むが、眠りにつくことさえできない。
もっとも痛いのは長年使い慣れたカメラが入っていること。しかし日本人3人の荷物が無くなり、 僕以外の二人の荷物がアンマンに届いたのに、 僕の荷物だけが届かないのが不思議でならない。昨日もそうだが、あまりのショックに 自衛隊の事を書く余裕がなかったので、荷物を諦め始めた今、書いておくことにする。  

ヨルダンに来るまでに、ドバイ、レバノン、ヨルダンの各新聞を読んだが、 どの新聞にも自衛隊がサマワ入りした記事が書かれてい。

「アメリカのケツを追いかけてる」など、もう少し批判的な記事が多いかと思いきや、 どの新聞も日本の自衛隊がイラクに人道支援に行くという好意的な記事が多いのに驚いた。


当事者であるイラクは別として、周辺諸国では自衛隊はアメリカ軍とは違い、 イラクの民を助けに行くという論評が強いようだ。ヨルダンに到着したときにタクシードライバーに自衛隊の事を聞いてみた。

「日本の自衛隊がイラクのサマワに入ったことニュースとかで見たりした?」「ああ、テレビで自衛隊がサマワに入っていく映像を見たし、新聞にも書いてあったよ」

「自衛隊がイラクに行くことどう思う?」「そりゃーいいにきまっているさ。イラク人を助けに行くんだろ!」

「一部にはアメリカに媚びを売るために日本の自衛隊は行くんだ、 占領軍の一部だと言われているけどどう思う?」と僕

「自衛隊は500人位しかいかないんだろ。少ない人数だし問題ないさ 早いことイラクを平和にして欲しいよ」と答えられた。しかも「日本では自衛隊が行く事に反対している人がかなりいるんだって? なんでだ?」と逆に聞かれてしまった。「本当に人道支援に行くならNGOと同じで武器なんか持って行かなくていいからさ」と答えると「そうか。それもそうだなー」と難しい顔をしていた。  



13:40日本から連絡が入った。 な、なんと僕の荷物がドバイにあったという。
再三確認して、ドバイにもアンマンにもないと言われたのに。しかも昨日の便で荷物をアンマンに届けなかった理由を聞いてびっくり。「荷物を載せる余裕がなかったから、昨日は見送り、今日送ることにした」。


おーいいい加減にしろよ。何度問い合わせてもないと言われ、空港にも足を 運んだのに。
20キロそこそこの荷物が一つ載せられない訳がないだろう。製薬会社の人 たちの荷物だけ届いた理由も分かった。

彼らはビジネスクラスだから優先して運んでくれたようだ。みなさんエミレーツ に乗るときは荷物に気をつけましょう。

まだ荷物を受け取れるかどうか心配だが、今後エミレーツがどういう対応をしたかは日記で報告します。空港までの交通費、余分に宿泊した代金等の保証。板倉さんの一言、「やっぱ中東の会社は信用できないですねー」。
そう思いたくないけどそういう対応をされてしまった。ウソはいけませんよ!エミレーツさん。  

空港に向かう、あまり喜ばないようにしていた。空港に着くと、ドバイからの飛行機が到着しているにも関わらず、空港の係官はまだ到着していないとウソをつく。「今そこで、ドバイから来た人と話をしたぞ!」というと「後一時間は荷物を見せられない」という。


運良くエミレーツの職員がいたので荷物の事をお願いしたが、「私には何も責任はないし、なにもできない」とのありさま。
近くにはインド人が同じように荷物をまっていた。「世界一のサービスのエミレーツと聞いていたけど、こんな酷い対応は初めてだ」でも彼は荷物をゲットできた。僕は・・誰だよ、荷物が見つかったって言ったのは。


結局またもや空振り。空港往復の6000円と4時間の時間を無駄にしただけだった。こんなんじゃ人間不信に陥っちゃうよ。僕はタクシードライバーに話した。「イラク戦争で爆撃を受けているときより嫌な気分だよ」 もう荷物を諦めてイラクに行くしかない。