3月19日
昨日もロケット弾が打ち込まれる事件があった。3月20日が近づくにつれ、バグダッド市内の各地で爆破事件が頻繁に起こり始めた。
ロケット弾はアルハヤットホテルに一発と近くの酒屋さんに4発打ち込まれた。地元の人の話ではホテルが狙われたんだ。という人と、酒屋さんが海外からお酒を輸入しているから、それを嫌って打ち込まれたんだ。という二つの説に分かれた。
どちらにせよ、復興を嫌う人たちが狙いそうなターゲットだ。現場を取材中に突然銃声が!音の感じからして比較的近くだと判断した瞬間!パーン!パーン!と連続で発砲する音が響いてきた。
一瞬伏せたものの、直ぐに銃声の方角へ走り出す。激しさを増す銃声のさなか木の陰に隠れながら発砲している場所を探す。とアパートの4階からカラシニコフが見えた。200ミリのレンズを向け、撮影する。(この時の選択があとで大きな後悔に)
銃撃戦が始まってから10分も経ってないくらいに米軍車両が到着した。米兵が周囲を包囲しつつ、二人の兵士がアパートに突入していった。
このとき僕は兵隊さんというのは勇気があるんだなーと感心した。どこに犯人が潜んでいるか分からないアパートに入っていくなんて、とてもじゃないけど僕には出来ない。
5分とかからずに一人の若い青年を拘束して米兵が出てきた。後から青年の母親が出てきて、米兵に向かって叫ぶ「なんでうちの子が逮捕されるのよ!何も悪いことしてないわよ」
近所にいた人たちはアリババだとか言っていたけど、よく調べてみるとご近所の子供同士の喧嘩が発展して銃撃戦にまでなってしまったようだ。
まあ喧嘩が発展して銃撃戦になってしまうのもどうかと思うけど。イラクに来て、二日連続ですごいシーンにめぐり合ってしまった。
開戦から一年が経つということでTBSのニュース23に音声レポートを送った。一年前が思い出される。一年前の今日、一番緊張したのは監視の目をかいくぐって情報省に潜り込んだことかなー。イラクの人たちにとっても僕にとってもあっとい間の一年だったと思う。一日が終わるとどっと疲れがでてきた。